予定がぎっしりな1日。
午前中に夫の幼馴染夫妻が心菜のお見舞いに。
お昼ごろ夫の父母=心菜のじいじばあばたちがきてくれる。
午後に鎮静をかけるのでお昼ご飯はぬき。
14時から小児病棟で慰問訪問の人形劇。
15時から放射線用マスクの型取り。
夜は私の姪っ子甥っ子たち、心菜のいとこ陣がお見舞い。
なかなかハードだったけど、みんなに会え、心菜への想いを感じ嬉しかった。
心菜はというと、病院では相変わらずの塩対応。
やっぱり入院はイヤだよね…と見ていて感じた。
でもこちらが驚くほどに、声をだして笑い、楽しそうにしていた時間があった。
それは慰問訪問の人形劇を観ているときだった。
慰問に来てくれたのは『人形芝居 燕屋』さん→https://tsubame.net/
行く前は渋っていて半強制的に連れていった感じで、上演が始まってもまるで興味がないような態度をとっていた。
実際には見たい気持ちがあってもアマノジャクが発令していたのだと思う。
しかし人形劇が進んでいくうちに魅力に引き込まれ、お塩な意地はどんどん溶けていき…
ついに大きな声をだして笑った!!
すごい笑った!!
それを発端に上演中はずっと笑って、夢中で観ていて、楽しいんでいるのが伝わってきた。
その横で私は、泣いていた。
本来は人懐っこくて、好奇心旺盛で、活発で、おしゃべりで、笑顔いっぱいの心菜が
入院とともにそれを封印してしまい、病院ではいつもの心菜ではなかった。
なのに人形劇を観て笑ってる!病院で楽しそうにしている!
その姿が嬉しくて、涙がこぼれた。
次にマスクの型取りを控えていたので終演後すぐの移動となり、残念ながら余韻にどっぷり浸ることはできなかった。
でも、この上演で出会ったキャラクターの“カンクロー”は心菜のお気に入りとなり
「カンクローにまた会いた!!」
と、入院中も退院してからもずっと言い続けることに。
今も続く素敵なご縁へとつながる。
話はそれますが…人形劇をはじめショーの力は素晴らしいです。
子どもたちをあっという間に夢中にさせ、目をキラキラさせることができる。
慰問訪問で出会ったこの人形劇だけではなく、他のステージショーでも心菜や私たち家族はパワーをもらいました。
心菜の闘病も後半になった頃、コロナの影響で様々なステージが中止となり、自由に動き回れない心菜でも楽しめるはずだった機会がたくさん奪われました。
「今だけだから!」
という状況ならば理解しながら我慢もできたと思います。
でも、限りある命を伝えられていた中でその状況はあまりにも酷でした。
様々なステージショーが観られないことを伝えたときに、すごく悔しそうな表情を浮かべていた心菜を思い出すたびに胸がズキンとします。
人形劇の燕屋さんだけではなく、他にもお世話になったステージ関係の方々と話した時、コロナ禍でみな落ち込んでいました。
「不要不急ではないから」とキャンセルが相次ぎ、全く仕事がなくなる。
“自分たちは必要ないのではないか。やっていることに意味がないのでないか”
そう苦悶したとのことでした。
最初のコロナ禍での中止は仕方がなかったとは思っていいます。
ただ、闘病中にエンターテイメントの力が心菜に力を与えていたことを間近で感じてきた家族としては
「絶対に必要です!!」
と、声をだして伝えたいです。
鎮静をかけてのマスクの型取りは成功。
その後とる予定だったCTは目が覚めてしまったので明日へ延期に。
鎮静剤は安全を考慮し1日の適量範囲が決められていたので無理はできないとのことだった。
鎮静明けの心菜はよくしゃべっておもしろかった!
ほとんどが食べ物の話なんだけど(笑)
心菜のご機嫌がいい時間が多いと嬉しくて、ホッとする。
この日の夜の付添いは夏休み中の夫と交代。
私は自宅で洗濯物などの用事を済ませ、息子がいる実家へ向かい泊まった。