心菜と息子を
夫婦それぞれの実家に送った帰り道。
先に息子を送っていったから
心菜を送った後の車内は私ひとり。
今までだったら子どもたちが泊まりにいくと
「ひとり時間だ!なにしよう!」
と嬉しかったけど
今は全く違う。
おひとりさまが楽しみだったのは
平穏な日常だったから。
それがないと成り立たないんだ。
ひとりぼっちの車内。
突然、恐怖が襲う。
「心菜は、余命宣告、されてる…?」
心菜がいない未来なんて考えられない。
心菜がいない人生なんて生きられない。
震えがくるほどの怖さ
止まらない涙
気がおかしくなりそうだった。
どうかどうか
私から心菜を奪わないでください。