今日は移動日。
「引っ越しか!?」
と見紛うほどの大量の荷物を車に詰む。
心菜と付添の私の荷物。
帰れないことを想定していると、仕方がないが
今回は付き添い用のお布団も必要だったから
どうしても大量になった。
これだけ荷物があって
2週間は家に帰れないとなると
主婦というのはバタバタバタバタするものです…(言い訳)
直前までバタついていてすみません…。
今回は私は付添といえど何があるか分からないし
入院期間中に息子の誕生日もあり途中で夫も息子も来る予定だし
私の父や母も泊りがけで数日来てくれるということで
病院近くのファミリーハウスを借りることにした。
遠方から患者さんが来る病院の近くには、付添者用の宿泊施設がある所もある。
私が予約したのはまさにその様な施設。
全国には同じような施設がいくつかあるらしい。
有名なところでいったらドナルドマクドナルドハウスがそのひとつ。
心菜が病気になるまで
遠方に入院することになるまで
全く知らなかったこと世界。
我が家が借りたのはワンルームアパートタイプで、生活に必要な基本的な物は揃っている。
病院の行き来するために自転車も貸してくれる。
それを極わずかな宿泊料で貸してくださる。
場所によって違うのだが
私がお世話になるのはボランティアさんが運営している施設。
予約の時に担当の方とお話をしたのだけど
ご自身の経験からこのような活動を始めたとのこと。
今から10年以上前。
当時大学生だった息子さんが家から離れた場所で白血病になった。
緊急だったので地元に入院ができずお母さまが出向くことに。
当時は付添者を支援するものはなにもなく
治療費に加え、お母さまの宿泊費用も全て自腹。
一般的な施設だったのでとてもお金がかかったそうだ。
その経験から、宿泊施設の提供や小児病棟などへのボランティアを始めたと
電話でそう話してくれた。
そな話だけで胸がいっぱいだったけれど
「息子は今は元気です!」
この言葉で涙があふれた。
心菜の病気が発覚してから
病気の詳細が分かるほどに怖くなっていた私にとって
息子さんが元気に生きているという話は
とても勇気づけられるものだった。
まるで、魔法のよう。
今日からその施設でお世話になる。
ボランティアさんが運営しているので、受付時間が限られていた。
それは十分に理解ができたので
その時間に間に合うように余裕を持って出発した。
でも、アクシデントはどこで起きるか分からない。
途中までは順調だったのだが
三分の二を少し過ぎた辺りだろうか
渋滞にはまってしまった。
高速での事故による大渋滞。
途中から流れが止まってしまった。
逆にもう少し手前だったら早めの下道も検討できたかもしれないけれど
なんともいえない場所での渋滞発生。
急いで道の再検索。
下道がいいのか
それならばどこで降りるのが最適なのか
その場合は間に合うのか
地理感がない場所だからスムーズに考えることもできない。
道を検索しつつ
施設のボランティアさんに状況を連絡。
やはり時間が過ぎたら対応できないとのこと。
もし間に合わなかったら…
そのことまで考え始めたら頭がパンクしそうになった。
一か八かで下道に降りて
あとはナビ様に託し…
記憶としては「焦ってた」しかなかった道中。
約束の時間ギリギリでなんとか到着。
先で待っていてくださったボランティアさん、本当にありがとうございました。
宿泊の手続きをして
夕飯を買いに行って
宿に入って
お風呂に入って
みんなでご飯。
心菜も息子も、長距離&長時間頑張ってくれてありがとう。
普通のアパートの一室。
テーブルを囲んで
心菜と息子と家族4人で笑いあう夜。
特別楽しいことがあったわけではない。
ただただ家族が普通にご飯を食べて
普通に話して
4歳と間もなく2歳が普通にはしゃいで
どこにでもある光景。
でもそれこそが特別なんだよね。
ちょっと違うのは
ここは家ではないということ。
心菜は明日から入院するということ。
大きな手術を控えているということ。
一応、余命を宣告されているということ。
この日の家族の姿からは
そんなの微塵も感じない。
あれ?
ここは一体どこだろう。
7月21日の緊急入院から
私はまだまだ夢の中にいるの、かな。