娘が眠った後、病室で夫とこれからの話をした。
娘の病気にどう向き合うか
私は、養母、祖父母、近しい親族と、幾つかの闘病と見送りを経験し
実母も私が子供の頃は入退院を繰り返していたので、病気に対して妙に冷静なところがあった。
夫はそういった経験は少ないのと、男性ゆえの弱さも持っている。
夫に完全に向き合わせてしまうとこの人は壊れてしまうと思い
「心菜のことは私が8割、あなたは2割で向き合っていこう。」
と話してみた。
ただ私も逃げ出したい時もあるかもしれない。だから
「でも、私がいっぱいいっぱいになった時は、助けてほしい。」
ともお願いした。
夫はそれでいいよという感じだった。
今まで通り仕事をして他に目を向ける時間が合った方がいいとも言っていた。
あと必要なことも話して、夫は誰もいない自宅に帰っていった。
そういえば、看護師さんが私たちのことを心配して
「大丈夫ですか?」
と何度も声をかけてくださったけれど、夫が帰った後に
「パパさんが凄く心配です。」
と言っていた。
きっとそのぐらい夫は憔悴していたのだと思う。
夫が帰った後、私は今後の仕事の調整作業をした。
自営業だったので各所への連絡や今後の告知など早急にしないといけない。
これは好都合。
だって、やるべきことがあったおかげで余分なことを考えずにすんだから。
この後寝たかどうかは覚えていない。
気がついたら朝を迎えていた。