今日は私が仕事だったため付添いは夫と交代。
自営業なので仕事はわりあいと自由がきき、心菜の病気発覚と同時にほぼ一旦休業にしたけれど、今日の約束だけは実行したかった。
朝早くからきてもらい、私は仕事前に一旦帰宅。
洗濯やら諸々家事含め家での用事を済ましてから仕事へ。
今まで日常を過ごしていた家に帰ると“今”の現実が突き刺さり苦しくなるから
やることが多いと余計なことは考えないでいられるから、よい。
昼頃仕事を終え、またも家で用事やら準備やらを済ませ、心菜とのシャワー予約時間には間に合うように病院へ戻った。
心菜はパパとちゃんと待っていてくれた。
まだまだ波はあるけれど、パパとママと過ごしている時はご機嫌でいてくれる。
それにしてもデカドロンの副作用はすごい。
ずっと食べ物のことが気になるようで、この日もリクエストの冷凍スパゲティやカップラーメンを夢中で頬張っていた。
心配もあるけれど、今は心菜の喜ぶことをしてあげたいし、そんな姿を見られることが嬉しい。
今日は近くで花火大会があった。
4階の病棟からはきれいに見えることが予想でき、一緒に見ることを楽しみにしていたけれど、心菜はいつもより早く寝てしまった。
入院してからは点滴の影響で、夜中にトイレで何回も目が覚めぐっすり眠れない日々だった。
だから日中はボンヤリしている時間もあるし、病気の影響もあったから早く寝てしまうのも仕方がない。
でも、病気次第では
「来年の夏はないかもしれない」
ことは主治医に告げられていたから、心菜と一緒に見たかった。
花火が好きな心菜の喜ぶ顔が見たかった。
心菜が寝てしまってからちょっとだけ病室を抜け出し、花火が見えるデイルームに1人で行った。
大きな窓から見える大輪の花火を眺めながら
「来年も心菜と一緒に見られますように」
と切に願った。
そして、この日に限って心菜が早く寝てしまったということは
「来年も見られるからに違いない!」
と自分に言い聞かせていた。
この頃の私は何事もこういう風に考え信じることで
必死に自分を支えていた。