家族全員嬉しすぎてテンションが上がっていたのか、この日は朝6時にはみんな起床。
元々は夜遅く寝て朝はゆっくりなタイプの我が家だから早起きの子どもたちにビックリした。
心菜も息子も、久々の“日常”がそれだけスペシャルに感じたということなんだよね、きっと。
起きてからしばらくはみんなでベットでゴロゴロ。
病院にいる時はおしゃべりも笑顔も少ない心菜も、家では今までの心菜だ。
そんな心菜を見られるだけでも嬉しいし
なにげない、まったりな時間が最高に幸せだった。
心菜の希望でおうちプールを朝いちで準備。
朝ご飯を食べてから9時にはプールスタート!
歩くことができないからパパの抱っこでプールまで移動して、中でも座って遊んでるだけ。
現状が日常生活に交わると現実を痛感する。
嬉しいのに苦しい。
心菜の楽しそうな姿が救いだった。
プールは約1時間で撤収。
「早っ(笑)!!!」
と思ったけど
心菜は小さなころからこんな感じで、サックっと始めて、サックっと終わってしまう。
変わらない“らしい”心菜は健在で思わず笑ってしまう。
片づけを終えてから家族で買物に出かけて、帰宅してお昼ご飯を食べて、まったりして、途中私の両親や姉が来てくれて、夕方には家族でお風呂に入って。
特別なことはしていないけれど、それこそが特別で。
そんな楽しい時間はあっという間に過ぎて、気がつけば病院に戻る時間になってしまった。
家ではいっぱいお話して、笑顔も多くて、なによりも弟といると楽しそうだった心菜。
「戻りたくない」
と泣いてしまい、胸が痛んだけれどちゃんとお話してから2人で病院へ戻った。
家族との時間は心菜にパワーが生まれることを実感。
次を楽しみにしよう!
この日の日中、私はよからぬことを考えてしまう。
それはお出かけ時に4人で車に乗った時。
今までは当たり前だったけれど、それがすごく幸せで。
すごくすごく幸せで。
その反動なのか、厳しい予後を伝えられた恐怖が一気に思い出され、体中を駆け巡った。
心菜がいない未来なんて信じられないし
そんな未来なんていらないと思った。
こんなことを考えてはいけないと分かってはいるけれど
このまま家族みんなでこの世から消えてしまいたい
幸せな気持ちのまま消えてしまいたい
そう思った。
自分の未来なんて惜しくないほどに、心菜がいなくなるかもしれない未来が怖かった。
その気持ちを踏み止どまらせたのは、これから心菜の希望を叶えてあげたい気持ちだった。
元気になったら行こうね!と約束しているたくさんの場所。
楽しみ、喜ぶ心菜の姿。
この先心菜の笑顔をもっと見られるかもしれない。
私を支えていたのはその気持ちだけだった。