この日夫から
「セカンドオピニオンを考えたい」
という連絡がきた。
夫からアクションがあるのは珍しい。
本来セカンドオピニオンは入院直後、最初の見解がでるころに検討するべきなのかもしれない。
主治医にもセカンドオピニオンを考えていただいてもいいですよ、とも言われていた。
でも、正直頭がついていかなかった。
まだ現状を把握しきれていないのに、なにをどうしていいのかも分からなかった。
また、よく見ていた小児脳腫瘍についてのホームページには
「小児脳幹部のグリオーマはできるだけ自宅に近い病院の方がいい」
とも書かれていて、治療法の選択肢もないことが記されていた。
実際に主治医から提案された治療法もそれと特段違ったこともなく
ならば様々のことを鑑みて自宅からほど近いこの病院がいいのかという考えだった。
とはいえ、全くなにも調べなかったわけではない。
神の手といわれる先生について調べたり、他の手立ても探ったりもしていた。
だけど明るいものは全然見つからなかった。
だから心折れかけていた部分もあったとは思う。
夫からの連絡に話を戻す。
夫も当初は私とほぼ同じ考えだったようだ。
そんな中ある親戚から、セカンドオピニオンや治療法についてどうなのか?と連絡があったということ。
また、足らないことがあったときの資金援助を申し出てくれたらしい。
実は外泊中に、私の方にもそれに似たようなことがあった。
それは隣の奥さんからの助言だった。
お隣さんは我が子のことで様々な経験があり、その上で治療法をさがすことについてなどを話してくれた。
そして同じように、もしもの時の資金援助を申し出てくれた。
もちろん資金援助を受けるつもりは毛頭ない。
ただ、第三者がここまで想ってくれていたことに、私たち夫婦は心動かされた。
「私たちは心菜の親なのになにをしているのだろう」
と弱さに喝を入れてもらったようだった。
周りに支えられていた。
助けられていた。
本当にありがたかった。
この日からセカンドオピニオン探しが始まる。
そして動きだせたことで、心菜と私にとって大きな出会いへとつながった。