2019.9.4【セカンドオピニオン】

セカンドオピニオンの日がきた。

朝6:00前に母が病室まで来てくれて、6:45には病院を出る。

出発するまでに起きていた心菜は大泣きだったけど、心を鬼ににして病室をあとにした。

父は私の家で夫と交代。息子を保育園まで送ってもらい、その足で病院へ向かってくれた。

夫とは駅で待ち合わせ。

新幹線の隣同士の席で東京へ向かう。

心菜が入院してから夫婦2人でゆっくり話すことはほぼできなかったので、貴重な時間。

いくつか電車を乗り換えて、最寄駅からはタクシーで病院へ。無事に到着できた。

病院へ入ったら、さすが屈指のこども病院なだけあり、ワクワクするような雰囲気があった。

子どもが喜びそうなちょっとした遊び場が並び、地元の病院より色も豊かだ。

エントランスでは入院中の家族をプロのカメラマンが撮影した写真が展示されていて、うまく言えないけれど見ているだけで力が湧いた。仲間がいるような気持ちになった。

売店もカフェも明るい雰囲気で、置いてある物も子どもが好きそうな物が多い。

心菜が見たらきっと喜び、今より明るい気持ちになれるかもしれないと感じ、ここに転院したい考えさえよぎった。

遠方だし、さらに治療も始まっている状況なので無理だとが分かってはいるが…

最初のころにもっともっと考えればよかったと思った。

手続きを済ませ約束の時間まで待っている間、緊張して落ち着かない。

そして遂にはお腹が痛くなり直前になってトイレに駆け込む。

大丈夫なふりをしていたけれど、自分はギリギリな状態だったんだと思い知らされた。

そうこうしているうちに呼び出しがかかる。

医師と軽く挨拶をかわし、早速本題へ。

セカンドオピニオンは時間の枠もあるので必要なこと、聞きたいことはどんどん進めなければいけない。

医師も早口だった。

それは私たちの質問にできるだけ答えようという気持ちの表れだと伝わってきた。

改めて病気の話をしてから、今の治療の確認、過去にあった治療の効果、今ある治験のこと。

大筋はこんな感じだった。

・改善している心菜の現状…おそらく放射線の効果がで始めているのではないか。折り返し前に効果が出てくる子はいる。

・ステロイドの副作用に悩んでいることについて…様子をみながらではあるけれど、当院では徐々に減薬していき、退院する頃にはなくすようにしている。

・治療について…過去・現在含めて画期的なものはない。数年前に期待した免疫治療もあったが効果がなかった。(この話を悲しそうにしていたのが印象的で、この病気への情熱を感じた。)

・治験について…現在1つある。東北の病院で行われているが、実施期限があるので気になるようならば早めに話を聞きに行った方がいい。当院の患者でこの治験を受けた子もいる。

小児脳腫瘍専門の医師ということもあり、経験からの言葉には信頼がおけた。

また、医師の話し方や言葉で、私たち患者家族の気持ちも変わるということも感じた。

親身になってくださる良い先生で、治験の情報も得られて、セカンドオピニオンを受けてよかったと思った。

受診後は急いで帰路につく。

心菜のことも気になるし、息子のお迎えの時間もあったのでゆっくりはしていられない。

駅で心菜と約束したどらやきを買って新幹線に乗りこんだ。

電車の中で夫と、治験のことを話し合う。

リスクも高い手術なのですぐには決められなかったが、まずは話だけは聞きに行こうとはなった。

心菜はというと、リハビリも放射線治療もママがいなくても泣かずに頑張ってくれたようだ。

そして、到着の1時間ほど前からずっとエレベーターの前で待っていてくれた。

母には電車に乗るときに連絡してあったので大方の時間は伝えていて、早いと分かっていたのだが、それでも心菜が

「待っている‼」

と、きかなかったとのこと。

心菜は話せばわかるし、普段はそんなことを言うタイプではない。

それだけ我慢して、頑張って待っていてくれたということだし、私も待っていてくれた気持ちがとても嬉しかった。

夕食の後には買ってきたどらやきを喜んで食べてくれた。

心菜、1日頑張ってくれてありがとう。

夕食時に、担当の医師がセカンドオピニオンの様子を早速聞きに来てくれた。

気にしてくれていたようだ。ありがたい。

新しい情報として治験のことを話した。

やるかは迷ってはいるけれど、話だけは聞きに行こうと考えていることも伝えた。

早朝からの周りの協力と、心菜の頑張りのおかげで行くことができたセカンドオピニオン。

もっと言えば、背中を押してくれた方々がいたから決められたセカンドオピニオン。

行ってよかった。

素直にそう思え、関わってくださったすべてのみなさんに感謝でいっぱいだった。

パパ、絶対に心菜を一緒に助けようね。

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